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福祉の支援者になりたい方へ ”発達障害の魅力”発達障害支援の現場から 第2章

仕事をする上で対象への興味・関心は重要です。野球選手ならば野球が好きでなければその道を目指さなかったでしょうし、 ピアニストであればピアノへの愛情はもちろんあるでしょう。発達障害の支援、福祉である場合も同様です。対象への興味関心は必要ですし、仕事をする上でのモチベーションの一つの源泉になってくると思います。

私はこの仕事始めて以来、会う人の大半が、発達障害の診断を受けたり、傾向が強い人たちです。発達障害自体に魅力を感じていないと、とても毎日を平穏な気持ちで過ごせないでしょう。当社も含め「発達障害の強み」と言ってしまいますが、発達障害の人の強みは論理的思考とか、発想力の豊かさ、プログラマーとか会計士に向いているとかよりも、もっと根源的な人間性の魅力にあるというのが私の考えです。

発達障害の良さはいくつもありますが、ここでは手を抜かないこと、正直であること、個性的であることの三つを挙げていきます。

手を抜かないこと

中には失敗が重なりすぎて自暴自棄になったり、やる気が何にも起きずに無為に日々を送っている当事者に会うこともあります。でも本質は何事に対しても一生懸命であるというところは尊敬に値するところです。何に一生懸命であるかというとほとんど全てです。多くの(発達障害ではない、あるいは傾向がほとんどない)人は何気なくできるようなことでも、発達障害の人は懸命にしないと出来ないこともあります。例えば朝の身支度でも気を抜かないようにしないと抜け漏れがでてしまう人もいます。仕事でも勘が悪かったり遅かったりするかもしれませんが本人が持つ力の全てを出していることがほとんどです。空気を読めないようなことを言ったとしても、本人としては相手を慮った上で発言したものであることが多いでしょう。結果にはつながらないことが多いながらも手を抜かないという根っこの部分は支援者として信じてあげたいですし、魅力に感じるところです。

間違えやすいのが、集中力が切れて話を聞いている途中で居眠りをしてしまったり、視線が合わなかったり姿勢が悪かったりでやる気が無いように思われてしまうところです。本当は手を抜くことがないはずなのですが、学習態度や作業態度が悪い、つまり手を抜いていると思われることがあるのですが、集中しすぎてかえって疲れてしまったり、障害特性上、本人の意識とは裏腹に集中がガクンと落ちてしまうことがあることは知っておくと良いでしょう。(このあたりは本シリーズの知識編で触れると思います。)

正直であること

二つ目が正直であること、換言すれば嘘をつけないことです。嘘をつけなすぎることで人間関係が悪くなったり、業務の中で損をすることは数しれないのが多くの発達障害の人の人生です。しかし嘘に塗り固められて、自分自身がなんだかわからなくなっていたり、他人からの視線を気にして普通という大きな流れにいることで、自分自身の人生がなんとなく進んでいるという多くの人に比べると、普通の人生を送りづらいものの、自分の感情や気持ちに正直に動けている発達障害的な生き方は尊敬すべき面が大きいなと思わされます。もちろんそこには後から考えると言わなければよかったなということを言ってしまうような想像性の弱さや衝動の強さがあったりするわけですが(ここも知識編で触れることになります)、自分にも他人にも嘘をつけず、まっすぐ人生を歩いて行く様は清々しさを感じます。

個性的であること

最後の一つは見ていて一緒にいて飽きないということでしょうか。発想も目のつけどころもユニークですので、発達障害の傾向がある人達の発言の中には「なるほどな」と思わせられること、「そういう見方もあるのね」ということがとても多いです。既にあげた、一生懸命生きていて、かつ正直であるからこそ、個性的な発言や行動、考え方ができているのかもしれませんので、一つ一つが関連しているかもしれません。予定調和でみんなが同じようなことをしているところに息苦しさや面白みの無さを感じてしまう私にとっては、斬新な意見や、それはなしでしょう!!ということを日常に見聞きできる場はとても刺激的ですし、学びが多いわけです。

障害者は純真か

一方で障害支援の世界で語られることが多いのが、障害のある人は純真で、一緒にいると周囲まで心が洗われるという感想です。おっしゃっている方に他意はないと思いますし、私が発達障害の特性に敬意を払っているから支援をしていて楽しいということと似ていると言えば似ているのですが、あまりにも出来すぎたストーリーというか、汚れなき人々のように奉ることに違和感を覚えてしまいます。言葉を選ばずに書くと、支援することで支援者が自分の毒素を抜いている状態に思えてしまうからでしょうか。あるいは純真であるという包みの中にはどこか障害のある人を単純な人たちに見ているような上下関係を感じてしまうからかもしれません。それこそ私自身が考えすぎて良くないのかもしれませんが、障害のあるなしに限らず聖人化せず、あるがままに敬意を払う姿勢が、支援者には必要ではないかと思っています。(このあたりは心構え編で触れていくと思います。)

次回は広く福祉の支援をする上での心構えをまとめていく予定です。

【リンク】福祉の支援者になりたい方へ シリーズ目次

(文:Kaien代表取締役 鈴木慶太 2017年9月)

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