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社会的価値が10億円の大台へKaien社会的価値 ~2017年を振り返る~

2017年12月29日

毎年この時期にお伝えしている社会的価値の計算です。多くの売上を税金に頼っている当社のような福祉事業者がどれだけ価値のあることをしているか数字で年末に検証しています。

【参考】福祉に税金を使うと経済的に無駄になるどころか得をする (2015年 今年のKaienの就職支援実績・社会的価値など計算しました)
【参考】年末のKaien通信簿 今年は赤点すれすれです Kaienの社会的価値 ~2016年を振り返る 前編~

さて、今年はどうだったでしょうか?就労移行支援を始めて5年。利用者が1000人を超え、就職者も700人を超えました。

【参考】発達障害支援に特化して5年 就労移行利用者が1,000人・就職者は700人を突破 同業他社との比較や利用者・修了者のアンケートで見る5年間の実績

結論から言うと昨年より持ち直して、また昨年は計算方法を間違っていた…ということにも気づき、よりプラスの結果になっています。

① Kaien経由の就職者数 172人→233人/年 

233人は発達凸凹のある大学生支援のガクプロを含む数字ですが、就労移行支援だけでも1年で200人を超えました。

今年は7月にKaien代々木をオープンしたため、年間で見ると6.5拠点の稼働という感じです。ですので、1拠点平均は30人超え。(半年で16人という新設のKaien代々木を除くと)もっとも就職者数が少ない拠点でも20人台の後半ですので、あまり拠点によるばらつきはありません。

【参考】Kaien代々木 内定者続々! 半年で16人働いたことがある方もない方も自分の「輝き」をみつけられる訓練プログラム

Kaienの就労移行支援のページでもご紹介していますが、1拠点あたり20人の定員で、そのうち何人が受かったかというのが就労移行支援業界の就職率と言われる数字です。当社は下でも見る通り1年以内に就職する人が大半ですので、公表は135%(つまり1拠点あたり年間27人の就職者)なのですが、今年に限って言うと、155%の就職率で他社の2~4倍ぐらい、全国平均の7倍という結果でした。

素直に良い数字だと思います。

② 修了生の定着率 100%!?

当社はこれまで半年後の定着率が高すぎて、あまり意味が無いので1年後の定着率を伝えていたのですが、業界全体が半年で比べていますので、当社も半年後の定着率を出してみました。それによると・・・100%なのですよね。つまり離職率は数百人単位で就職してゼロ。幾つかまだ当社社員がデータ化していないものもあるかもしれませんが、いつにもまして良かったのは確かです。

ちなみに全国平均や他社の数字を見ても定着率は80%前後(つまり離職率は約20%)なので、当社の修了生が非常に安定していることがわかります。

③ 平均月給は16万円台へ 微減

平均月給は16万円台へ下がってしまいました。就職は非常な売り手市場ですので、あまり月給が下がるというイメージは持ちづらいのですが、軽作業に興味関心があったり、軽度知的障害がある人の割合が増えてきたことと関係があると思います。かなり当社のことを応援していただいている方の中にも、「Kaienは勉強のできる発達障害の人が行く場所」「ITとかパソコンとかを使いこなす人が多い」という印象をお持ちの方がいるのですが、それは4・5年前の話。今はいろいろな求人があって、いろいろな人が来ていることがわかります。

グラフは月給ごとの分布です。また数日後にまとめますが、正社員登用されたり、ボーナスが出たりしている人もいますので、月給×12ヶ月以上の給与をもらっている人も多くいます。

ちなみに職種は以下のとおりです。事務が半分以上。残りは専門職と軽作業が同じぐらいです。

④ 就活期間は7ヶ月台に戻る

昨年はこの数字が10ヶ月近くにまで伸びてしまっていましたが、今年は平均利用月数が7ヶ月。内定から就労移行支援の訓練終了までは1ヶ月程度の方が多いので、内定までは概ね半年ぐらいと思われます。

グラフの見方は就労移行支援開始後、どのぐらいの速さで、どのぐらいの割合の人が就職していっているか(中退は除く)というグラフです。7・8ヶ月で半分の人が巣立っていっていることがわかりますし、1年を越す人は5人に一人もいないこともわかります。(福祉の世界では非常に速いと言われる就職までのスピードです。)

⑤ 中退率は15%へ 大きく戻す

昨年は中退率の計算の時に背筋が寒くなったのを覚えています。それから1年。2週間毎に全拠点でチェックをしていました。昨年も書いたとおりに、支援がほとんど必要じゃない人を選りすぐっていけば中退率は大きく下がるでしょうから、中退率自体は低くすることを狙うばかりではいけないとは思います。就職に遠く見える人を就職させるというのが一つの支援者の力の見せ所でもあるからです。お互い難しいと思って始めて、やっぱり難しかったね、少し支援方法を変えてみようかと違う支援機関をご紹介するという挑戦も絶えずすべきだと思っています。

それにしても去年は中退率が急に跳ね上がった印象があり、今年は支援力を合言葉に運営してきた社員の努力の成果が出たのかなぁと思います。(実際、中退率が下がる中で、他の数字も良くなっています。)

⑥ 今年の社会的価値は2.7億円/年 創業以来累計では10億円へ

昨年計算ミスした所がおそらくここです。(具体的に言うと、将来の価値をマルティプライで予測するのですが、その時の計算式が間違っていました。ファイナンシャルモデルにはMBAのときは日々触っていましたが今は1年にこの時期しか触らないので、やはり色々できなくなってきてしまっています…)

再度計算式を見直したところ、去年は1.1億円だった所が、今年は2.7億円ということになりました。これはどういうことかというと、当社は6億円ぐらい税金を使わせてもらっているのですが、当社経由で就職してもらうことで、税金を増やしたり生活保護を減らしたりしている額がこの1年で総額8.7億円にのぼるのです。つまり税金で6億投下してもらって、差し引き2.7億円の価値を国庫に返納しているのと同じ計算になります。

最近は、障害福祉を株式会社で行っているところが増えましたが、(まあ当社もそうなのですが…)、時々新聞を見ても、ネットの発言を見ても「社会貢献もしていてカネも稼いで良い事業だね」という論調を見ます。

でも当社のように定員を大きく超える数を就職させない限り、実はその事業単体としては税金をやはり食っていることにはかわりないです。当社の計算式では、定員×60%(つまり1拠点あたり12人)で就職させても、まだ社会的には赤字です。

そもそも単体だけで見るのはややおこがましい(一人就職するのに就労移行支援だけが偉いわけではないです。相談支援期間や地域の福祉機関、若者支援機関ハローワーク、学校やもちろんご家庭などが力になっているので…)ですが、本当にその事業って社会全体に価値があるのかなというのは、出来る限り事実で語るような必要があると思っています。

そうそう、創業以来は10億円の価値を国庫に返している計算になりました。それなりの部分が法人税なのですけれどもね・・・。

ウェブサイトにも新しい数字を既にアップしました。会社概要のページです。
http://corp.kaien-lab.com/company/profile

⑦ 児童の部分の計算はまたまた翌年に持ち越し

明日の本ブログで触れるであろう障害児の支援の話題です。今は1兆円を超えた障害福祉の中でも20%を占めるほど大きな予算になっているのが放課後等デイサービスです。当社もTEENSというサービスを6拠点(来年早々7拠点目が出来ます)で運営していて、それなりの税金を投入いただいています。

放デイは発達の傾向のある子どもたちのまだ10%ぐらいしか使っていないと言われていますが、それでも数千億円が使われているわけです。いったい全員が使ったらどうなってしまうのか…。トホホという感じの制度です。放課後等デイサービスが、どういう価値を社会に与えているのか、本当に数千億円の価値があるのかというのは、これからきちんと検証されないといけないでしょう。

実際⑥であげた当社の社会的価値には、障害児支援の部門はコストとしてしか入れられていません。当社全体で見るとそれでも3億円近い価値を出せているのですが、それは就労部分が非常に強いからです。児童の部分の価値が可視化されるとより価値を社会に還元できていることになりますし、可視化しないと公共事業としては潰されかねない運命になってしまう気がしています。

今年当社は「Kaien発達総合研究所」というシンクタンクをささやかながら立ち上げましたので、こういうところできちんと政策提言なり、社会発信なりをしていかないと行けないなと思います。色々と暗いことも書きましたが放デイには意味があると思って当社もしています。具体的にはTEENSのお仕事体験や学習支援は、将来に向けてきちんと価値を生み出していると思いますので、なんとか見える化して、多くの人にわかりやすい結果を出さないといけません。

【参考】Kaien発達総合研究所を開所 発達障害の可能性・長所を信じるシンクタンク

年末年始の特集!!

最後まで駄文にお付き合い頂きありがとうございました。会社が寝静まっている年末年始の間にまだまだ幾つか記事をあげていきますので、お時間あれば引き続きおつきあいください。

予定している記事は「2018年 発達障害を取り巻く教育・福祉・雇用の問題」をシリーズで分析?していこうと思っています。ラインナップは、☆放デイの今後/福祉と学校の連携 ☆発達障害学生の支援 全国へ ☆新制度 就労定着支援事業とは? ☆障害者雇用率が2.2%へ 精神障害者をどう活かすか? ☆増える発達障害専門の支援機関 何が起きているのか? ☆その他 当社話題 です。

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