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発達障害の専門家とは?発達障害オタクトーク ~放課後等デイ・TEENSの現状と今後~ 第4回

 当社の想いや現場での働き甲斐をお伝えする『懸け橋』。5回シリーズで、昨年末(2016年12月)に教育事業部の執行役員に就任した飯島さなえと、社長の鈴木の対談をお送りしています。当社の小中高生向け事業である放課後等デイサービスTEENSに焦点を当てながら、当社で働くとは?発達障害とは?を考えます。

 

TEENSで働く面白さ

鈴木)採用の話をすると、TEENSでどんな感じで働けるか、楽しさを感じられるかは?「発達障害の支援したいな」「子どもの支援したいな」っていう人が、「TEENSにいるとこういう面白さがあるんだ」とか「こういう達成感があるんだ」って分かるようなこと。

飯島)まずベースの心構えとして、「発達障害=かわいそうだな」っていう人はちょっと困ります。

鈴木)それは?

飯島)別にかわいそうではない。環境とか状況的にかわいそうに思う部分はあると思うけど、発達障害であること自体がかわいそうということではないので。だからなんていうかな、そういう気持ちでいてほしいです。

鈴木)まぁ、フェアにっていうか。一人の人間としてね。

飯島)そうです。広い意味で同じ土俵ですからそういう風に思ってほしいです。

飯島)で、なんでしたっけ?

鈴木)どういう心持ちで入社したら上手く働けるかとか。どういう風に働いて、何が達成できるか。何が感じられるのか。

飯島)スタッフ皆が面白いっていうのは、ありきたりですけど「子どもたちの成長が見られる」っていうところ。某スタッフのケースでいうと、学校に行けてない中学生の男の子がいました。そもそもどこかに定期的に通うことが難しいですっていう状況で、どうしたらその子が楽しく通えるかなっていうのを、会話の話題から毎日思考錯誤して。まずはTEENSのことを好きになってもらうことができた。で、それで満足しちゃダメだと思います。そこで満足しちゃう支援者が多いんですけど。「私のことを好きになってくれた」とか。それは何ていうか、言葉は汚いですけど自慰行為にみたいなものなので。よろしくないだろうなと。

じゃあ、彼の将来に繋げていくためにどうすればいいのかっていうのを考えますよね。彼に合う学校を探してきて提案したり、見学とか色々したりして、本人が「ここに通いたい」っていう気持ちになる。それまで勉強とか全然してなかったのに、受験勉強を頑張り始めて、勉強も手取り足取りみて、合格して・・・。それまでどこかに定期的に通うことができてなかった子が、楽しく学校に通えるようになった。お子さん自身の人生も変わったと思うし、支援者としての彼女の人生も変わっただろうと思います。そういう醍醐味があります。

鈴木)でもさ、それはKaienやTEENSだけではなくて、他の支援機関でも出来るんじゃないっていう気はするけど。

飯島)あー、今のは別にやろうと思えばできるかもしれない。

鈴木)でもそういうチャンスは、チャンスっていうと変だけど、人生に携われる感じは得られますよっていうことだよね。

飯島)ありますね。あとは、「これが必要だ」って思った時に、かなりフットワーク軽く動けるのはKaienの特徴だと思います。上長にいちいち確認をしてみたいなことは全くなくて、これが支援を良くするために、今、彼の人生のために必要なんですっていうのが意思表示されれば、すぐに行動に移せる。スピード感。フットワークの軽さがある。前職だと「こういう風に支援の流れを変えたいです」って思っても、次のケースミーティングを待ってそこで1時間くらいプレゼンして・・・。

鈴木)まぁ、もちろんリスクがあるから、上長は簡単にはウンと言いづらい組織も多いでしょうね。

飯島)もちろんそうなんですけど。で、その後色んな段階を踏んで、「じゃあ来年度から始めましょうか」みたいなことはよくあったんです。もちろんすぐに動ける話と、動けない話と。テスト期間を設けて考えなきゃっていうのは、TEENSにもあるけれど、無駄なところはないんですよね。検証が必要なところはすべきだけど。「この人の許可を取らなきゃいけない」みたいな、そういうところはない。

鈴木)そういうところは、まぁ面白くできる職場じゃないかということですね。

 

 

発達障害の専門家を育てるために

鈴木)最近僕が思うのがさ、やっぱり長く働けるかどうかって本当に重要だと思うんですよ。

飯島)Kaienでですか?

鈴木)Kaienじゃなくても本当はいいんだよね。さっき話に挙がった「学習障害を学ぶ」っていうのも、支援者として5年10年かかる。だから、皆がいかに長く探求できるかみたいなのは、結構重要だと思っています。その点、TEENSってどうかなと思うんだよね。それができるかな?みたいな。

飯島)私が周りのスタッフに結構言ってるのは、「12年働いてほしい」。

鈴木)面白いね。12年って何?

飯島)いや、数字に深い根拠はないんですけど。一干支です。TEENSから働くために地方から出て来ている人とかも多いので「そこまで先は考えられない」っていう返事をされてしまうことが多いですけどね。私の場合、何かよっぽどの大事件を起こさない限りは、多分一生Kaienにいると思います。確かに、どうしたら長く働いてもらえるかなっていうのは大事ですね。

鈴木)うーん。まぁ、うちの会社じゃなくてもいいんだけどね。自分も退職した身、転職した身なのでね。綺麗事を言うと「人生のある瞬間で納得して働けるところがいい」とは思うんです。キャリアの選択に対して懐が深い会社である方がいいとはもちろん思う。だから、Kaien・TEENSじゃなくても、違う会社に進むのはまぁしょうがないかなって思っちゃうところもある。だけどせっかく学んできたから、他の業界には行ってほしくない。あとは、何ていうのかな。人生で「あそこで学びました」っていう風な場所にKaienがなっているかどうかなんだよ。

飯島)うーん、Kaienでの経験が。

鈴木)そう。だから常に思っているのは他の組織に転職したときも「KaienとかTEENSの出身者だったらまぁ絶対大丈夫だね」って思わせられるかっていうね。ただ、ビジネスのリーダーを育成するみたいな感じだと分かりやすくインパクトがあるんだけど、そういう風に僕がスタッフを育てたいかって言ったら、違いますよね。やっぱり職人的な方向性で育成していきたいというのが一義かな。福祉の世界では良いけれども、ビジネスの世界では目立たないとは思うんだけど。

飯島)そうですね。TEENSで「リーダーをやりたいです」みたいな人はほとんどいない。皆やっぱり支援が好きで、子どもが好きだから、そっちに目が向いていて。

鈴木)それは前回の懸け橋でも話が出てたけど、福祉の職人以外に、どういう風にそういう人を育てたり採ってくるかみたいなのを考えないと当社も行けないですね。

飯島)うーん。でも私も元々支援の方に目が向いていて、リーダーをやりたいとかは考えなかったですけど。考えがわりと変容してきています。

鈴木)それはなぜ?

飯島)「発達障害の人の働く力をつける」っていう鈴木さんの考えがブレてないからですね。執行役員への就任に関しても、その過程のために必要なアサインをもらっているって分かる。だから、役割は変わったけど、やってることがすごく大きく変わったていう実感は全然ない。今回の人事も別に「あぁそうですか」って感じです。

鈴木)なるほどね。執行役員になってから2ヶ月ちょっと経ったじゃない。この2ヶ月はどうだった?(※この対談は2月に行われました。)

飯島)もう2ヶ月も経ったんだっていう感じ。役員になったから何かすごく変化があったかていうと、実務的にはあるにはあるんですけど。心持ち的にはそんなに変わってはいなくって。ダメなのかもしれないですけど。すごく大きいプレッシャーがあるとか、そういう感じも特にしてない。

鈴木)自分の役割は何だと思っていますか。

飯島)すごく大きいビジョンでいうと、「この国にはTEENSがあるから、発達障害の子が生まれても、発達障害として生きていっても別に不安はないね」っていう状況にしたい。

鈴木)おー、親御さん目線?

飯島)本人的にも。TEENSに通ってるから、まぁ別に、大人になっても大丈夫って。

鈴木)すごいね。

飯島)ぐらいの感じになったらいいなって。私が死ぬまでには。

鈴木)そういうTEENSとになるためにも、先程の話に戻りますね。スタッフの育成とか定着は大事という話。TEENSで働く人は若い人が多いし、女性が多いんですけど。だからあなたもどう考えてるかなと。人生設計。

飯島)人生設計。え、何を話せばいいんですかね。あ、でも、今週産休に入る人もいて。産休もどんどん取っているから、そういう多様性が出るなと思う。

鈴木)働きやすいかどうかってところは?

飯島)育休後に戻ってきたいって言ってくれています。ママたちも、別に休んだからどうって言われる職場じゃ全然ないじゃないですか。そこの働きにくさは全くないんじゃないかな。

鈴木)でも、やっぱり子ども相手だから、学校の後に来るとなると、スタッフはどうしても夜の勤務が多い。最近、ファミレスで夜間営業を辞めるみたいなニュースも出てきますよね。ようやく日本も過剰なサービスが少なくなってはきてはいるけど、それでも子ども向けのサービスって、塾とかだと21時とか22時まで明かりがある中で、今度からTEENSは19時に閉じる。

飯島)そうなんですよね。今までより30分繰り上がります。子ども達にご協力いただいてっていう感じなんですけど。働けるスタッフがいないと、TEENSは開けませんから。

鈴木)そうですね。子どもを育てながら働くにはね。夜遅いのはなかなか難しいよね。

飯島)私も子どもはほしいなと思っています。現場以外でできることを増やそうという意識は多分常にあったんじゃないかなと思っていますね。プログラム作りとか、ウェブサイトの運営とか。

鈴木)難しいよね、やっぱり現場に必要な人数がすごく多いし。子育てしている人が、皆現場ではない担当をできるかっていうのもあると思うし。結婚しないとか、子どもがいないっていう状況とか、そういう選択をした人もいるから。その人たちも、やっぱりこう。

飯島)働きにくくならない。

鈴木)うん。不公平感が出ないようにするっていうのは。なかなか難しいよ。TEENSの舵取りを考えると、そこは若干難しいところではあるけど。それこそ不動産もそうだし、宿泊業とか、人が休んでいる時に働かなきゃいけない業界は、ワークライフバランスが難しいよね。福祉だと、子ども向け、しかも放課後等デイサービスは難しいところではある。もちろん入所施設ではKaienはないけどね。

そこまでは大きな問題だとは思ってない?大丈夫だろうって感じ?

飯島)あまり気にしてないんですけど。そこの目線がまだ持ててないのは大きい。正直深くは考えられてないんですけど。

鈴木)そっか。僕は自分がすごく身体が弱い子だったからよく考えるのかな。うちは結局母親は働いてなかったけど、もし働いてたら辞めざるを得なかったと思う。それこそ、自分の子どもが発達障害とか、やっぱり手がかかるじゃない。逆に全く手がかからない子もいるんだけど。どうしても手がかかる子もいるから。それで仕事を続けるのが難しいという人が出てきたら。うーん。その時は、しょうがないと思うのかな。

飯島)でもそうなった時に、Kaienは必ず相談には乗ってくれますよね。「じゃあどういう働き方をしようか」って。

鈴木)まぁ頑張りたいけど。今後そういう場面が来るよっていうのは、ある程度予測していた方がいいかな。

飯島)そうですね。うーん。頑張ります。

多様なスタッフが求められるという実感

飯島)でも、やっぱり色んな人がいるっていうのが、TEENSのすごくいいところだと思っています。福祉の分野でのスペシャリストも、各拠点に一人はいます。そういう人たちがいることで、支援の質がやっぱり上がるし、安心感もすごく上がる。

でも、じゃあ拠点のスタッフ全員がそういう人だったらすごくいいかっていうと、全然そんなことはなくって。教育の分野から来た人とか、全然関係ない営業からとか。リクルートみたいなところから来ている人もいますけど。色んな価値観や視点が合わさって疑似社会を作って支援をしている場ですから。色んな人がいるっていうのは、結構重要だと思います。

鈴木)世の中では、「多様性」って言ってもその良さが分かっていないことが多いと思うんですね。不動産の会社とかで「多様性」とか言って、じゃあ外国人を雇うかとか、障害のある人を雇うかって言ったら、そこに何の価値がある?ってなるというのかな。

飯島)うんうん。

鈴木)TEENSでは多様性の価値が分かりやすい。なぜかっていうと、それこそ社会を教えなきゃいけないから色んな価値観が必要。人間って仕事とか学んできたことによって色々な価値観を提供できるようになる。

飯島)やっぱり福祉出身の人だけになると、利用者の方のことをすごくよく理解できてる分、なんですかね。援助過多になったりとか。

鈴木)やっぱり橋の向こうに行ったことがない人だけだと。

飯島)橋の向こう?

鈴木)Kaienは「仕事」に着目しているから。発達障害のある人を、橋の向こう側である企業・社会に届けてあげる必要があると思ってるんですよね。その時に、向こう側の世界を1回味わった人じゃないと、ガイドできないじゃないですか。

飯島)そうなんですよね。本当にそう思います。TEENSに来ている子たちって、結局ずっと福祉の世界で生きていくかっていうとそうじゃなくって。なんですか、社会の中で。

鈴木)企業社会とかで。

飯島)生きていく可能性がすごく大きい子たちなので、やっぱり企業・社会を知っている人の存在は必要。でもやっぱりそっちだけじゃなくて福祉の世界で職人的に経験を積んできた人も必要なので、両方必要なので両方来てくださいというメッセージですね。

鈴木)そうですね。

発達障害オタクトーク ~放課後等デイ・TEENSの現状と今後~

飯島さなえ

大学卒業後、成人の自閉・知的障害者の通所施設(生活介護・就労継続B型)で 3年間勤務。 2014年Kaienに入社。TEENS横浜・TEENS川崎で勤務後、2016年に執行役員(教育事業部)就任。

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