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支援者と利用者は同じ船に乗っている鼎談『社員番号1・2・3で振り返るKaien7年史』 第2回

 当社の想いや現場での働き甲斐をお伝えする『懸け橋』。5回シリーズで、社長であり社員番号1番の鈴木、2番の田中正枝、昨年末に取締役・執行役員に就任した3番の須賀智美の鼎談をお送りします。

 これまで管理職がいない、完全にフラットな組織であったKaienも、スタッフが150人を超え、約700人の利用者に日々サービスを提供する規模の会社になっています。更なる成長を見越し、社長に指示系統が集中する状態から、社員一人一人がより力を発揮しやすい強固な組織作りをしている最中です。

 初期から在籍するメンバーが、今までどう働き、今後を見据えているか。第2回はベンチャーと福祉の融合について議論します。

健康でないとダッシュできない

鈴木: 次は「行く人来る人」の「行く人」。つまり辞めていく人なんだけど、実際いるよね。中小企業では少ない方だけど離職率はこれまで1割ぐらい?ベンチャーとしては優秀な方かなと思いますし、離職は悪いことではなくて、組織の活性化のためにも、本人のためにも新しい働く場があってしかるべきだと思うんですけれど、辞めていく人を見ていくと当社の良い意味でも悪い意味でも文化がすけて見えてくる気がするんですよね。どういう人が当社から離れていくかな?田中さん何か有りますか?

田中: 変化が苦手な人かな。拠点が増えたり、訓練を終えて出ていく人もいれば、また新しく入ってくる人がいたりとお客さんの入れ替わりもあるし。より良いものを求めて運営方法が変わるということも実際にあります。そういった変化に混乱して安定していないのが苦手な人は去っていっている気がする。

須賀: Kaienの仕事は、結構地道な仕事ですよね。地道じゃないのかもと誤解して入ってきちゃう人もたまにいるのかなぁという気も。

鈴木: 前回のちゅるさんの話(注:Kaien共同創業者 対談シリーズ 第1回 ファッションじゃない)でいうと、ファッション的に思っている人っていうことかな。

須賀: そうですね。ブリッジコンサルタント、エイブルシーカーっていうスタッフの職名は私もとても気に入っていますけど、すごくスマートな印象があると思うんです。きらきらみたいな。でも訓練生ともお子さんとも、毎回のように同じことを繰り返さなきゃいけない。その積み重ねでようやく変わってくる部分が少しある。そういう地道さが必要。あとは支援というと、利用者から感謝されると思う人もいると思いますけれど、実際はそうじゃなかったりしますよね。

鈴木: あと、お二人からはもしかしたら当たり前すぎて出ていないかもしれないのが、スピード感かな。会社自体が変化するスピードはもちろん、通常の業務のスピードが尋常じゃないよね。Googleの代理店から、こんなにITを使っている会社はIT企業でもありませんと言われたぐらい、できる限り新しいシステムを取り入れて、人間がしなくても良いことはシステムに任せてる。だから、福祉の世界の常識とはやっぱり違うよね。皆徐々に慣れるけども。

須賀: 確かにITの力を借りている部分は大きいですね。いつもPCを持っていて、その場で記録をとって、面談やMTGが終わるときにはログや報告メールが完成しているみたいな。今、自分が入社したばかりの人だったらとてもそんな芸当はできない。

田中: 当社にとってITは紙と鉛筆のような存在ですもんね。自由に操れないのはストレスなんだと思います。使いこなすレベルに到達するまでに苦労している。ただ実際は紙と鉛筆が上手に使えるかではなくて、それをもって何を表現できるかが重要なので。支援力は抜群だけどITが苦手でという方にも上手に働いていただけるようにしていかないと、とは思っています。

鈴木: これも変えなければならないけれど、「できて当たり前」文化がちょっと強いよね。働いている人も皆優秀で、できて当たり前と感じてしまうので、ポジティブフィードバックが少なくなるというか。僕自身、利用者には「よくできたね」と言うことがあるけれど、スタッフには滅多に言わない。できて当たり前とどこかで思っていると思う。それが会社の文化になっているのは変えなきゃいけないなとは思っています。

須賀: 褒めて伸ばすですよね。正直、鈴木さんに褒められたいと思っているスタッフは多いです。私も、「鈴木さんにどう思われても、私には訓練生や修了生がいる!」と思うし、口にもするけど、鈴木さんに「ありがとうございます」と言われると、ホッとする。お子さんには「人の良いところも見つけられるように」って教えてますからね。自分たちもそうしないと。

鈴木: 滅多に褒めない方ですからね…。変えないとね。まだあるかな?Kaienの文化。他はどうですか?

須賀: 取り組んでいることに対して、労を惜しむ人はいないと思うんですよね。ずるくないというか。

鈴木: たしかにね。手を抜いている人はうちの会社で一人もいないと思う。それちょっとすごいね。皆よく走るというか、毎日短距離走をやっているのは感じます。だからKaienを去っていく人の理由の一つに、体力的なこともあるかもしれない。長距離走ではなくて、短距離走を連続する長距離走じゃないですか。だから体力的に厳しい。

須賀: 短距離走を連続する長距離走というのは、よくわかります。訓練生なら10人くらい、お子さんだと20人くらいのケースの担当をしますが、それぞれのケースを考えるときはまさに短距離走でがっと集中する。で切り替えてまた次のレースに出るみたいなことを延々やっていますから。うまくインターバルをとらないと。

鈴木: うちの会社の行動指針の一つ目は、「健康である」だけれど、精神的・思想的・肉体的に健全さを保てていないと、毎日ダッシュできない。手を抜かないというのは、当社の文化ですね。まあベンチャー企業って言うことかなぁ。

支援者と利用者は同じ船に乗っている

鈴木: それとKaienは、支援者と利用者の垣根がほぼないというのも特徴だと思う。現場で真の声を聞く(注:Kaienの行動指針の一つ)と言っているのがそうで、そもそも利用者と一緒にサービスを作ってきたという背景がある。初期の訓練生と一緒にプログラムを作っていったようなものじゃないですか。だから他の会社に比べると、支援者側とサービスを受ける利用者側という視点は薄い気がする。同じ船に乗っている人たちみたいな感じ。

須賀: それは心底同感。私は6年前に始めたかいえんぴあ(注:Kaienが運営しているSNS。訓練生、修了生、登録者、スタッフが加入しているコミュニティ。400人ほどのメンバーがいる)に毎日欠かさずアクセスして書き込んでます。支援者としてでなく、「すが(須賀のかいえんぴあでのアカウント名)」個人として参加している感覚です。長い人とはもう6年。会っていなくても様子はわかる。向こうも「すがさんまだいるんだ」と思ってくれているでしょう。

鈴木: 時々僕が使う言葉では、シェルパみたいなのが理想で。シェルパって山登りの際に、一回か二回先に上ったことがあるから、荷物背負ってあげてこっちだよって言ってあげているだけで、シェルパと登山隊のどちらが偉いとか偉くないとかいうことではない。そういった一体感みたいなものは、Kaienの文化かな。

須賀: あと、一体感とはちょっと違うかもしれませんが、訓練生に言っていること、お子さんに言っていることを自分はちゃんとできているか?と折に触れて考えます。スタッフ同士で指摘しあうこともあります。一回か二回先に上ったことがある、まさにそういう感じですよね。支援する、されるもときに逆転するくらい、少なくとも私は、いろんなものを訓練生やお子さんからもらっている気がします。

鈴木: 他に、少なくとも競争とかはないよね。これはいいのか悪いのかというとあんまりよくないと思うんだよな。まず、出世競争とか社内の競争がない。そもそも今までフラットな組織で管理職すらいなかったから出世ができない。社外にも競争がない。つまり競合他社を考えていない。これはやっぱりよくない。Kaienの価値をより広げるためにも、もう少し周囲を見て、上手に刺激を受けていかないといけないと思って。あまりにもちょっと、なんていうかなぁ。

須賀: 平和すぎる。社内が平和なのはその分も訓練生とお子さんのこと、サービスのことを考えられて良いですが、私も含めて外を知らないといけないですね。毎日変化も刺激もあるからつい満足してしまう。

田中: 当社のスタッフは本当に多様だけれども、みな協調性があり人を押しのけてまで何かしたいというのがなくて、この部分についてはみんな似通っていると思っています。なので「一旗あげたい!」みたいな山っ気がある人も今のところいないです。

鈴木: 平和だね。江戸の鎖国のような状態。でもこれまでのKaienはわりと女性が多い職場だったけれど、これからは30~40代の働き盛りの男性が多く入ってくるという変化もあって。黒船到来という感じ。この前小泉進次郎さんが面白いことを言っていて、黒船が来た時に、例えば坂本龍馬は、「黒船が来た。変わらないといけない。」と言ったと。吉田松陰は、「黒船が来た。乗りたい。」と。

須賀: あはは。私はとりあえず黒船が楽しみです。

鈴木: 外の新しい勢力が来た時に、「自分が変わっていこう」とか、「連れて行ってよ」とか反応はそれぞれですけれど、いずれにせよ引いちゃもったいないと思うんです。なので、さっき田中さんが言ったことにも繋がって、会社として、より変化を楽しむ、受容する文化になっていかないといけないかと思います。他にKaienの特徴はありますか?

田中: 他はオープンであるということ。全体ミーティングのログを全社に共有したり、鈴木さんが週報で全体に語り掛けたり。

鈴木: オープンさは今後どうなるでしょうね。今までいい意味で悪い意味でも、情報が全部共有されていて、フルタイムの社員は全員が全部を拾わないといけなかった。でも、全部の情報を拾えない人たちがあまりにも増えてきて。今後は情報の供給をいい意味で減らして、ある程度フラットさは残しながらも、ピラミッド型の組織にしましょうという感じじゃないですか。その時に、社風としてのオープンさが失われないよう気を付けないとはいけないですね。

須賀: これまで以上に、全員集合(注:フルタイムスタッフが月に1回全員集まるMTG)みたいなリアルの場が大切になるでしょうね。重要なことが全体に知らされていれば、オープンだと感じられると思うんです。その重要なことをどうやって発信していくのか、は私のこれからの課題の一つだと思います。

Kaienは福祉の会社か?

鈴木: 次に、Kaienは何の会社かというのが聞きたいんですよ。福祉なのか、ソーシャルベンチャーか、人材の会社か。それをどう定義するか。

須賀: KaienはKaien。

一同: 笑

鈴木: そうだけれどもさ。業種とかに分類されない会社が強いと思うので、僕もそれが狙いですけれど。そうはいっても、福祉の会社なのかなぁと僕は思っていますけれども、どうですか?

須賀・田中: ・・・

鈴木: 福祉ではない?100年後にKaienがどうなっているかは分からないけれど。例えばNOKIAという会社は、携帯電話を作っていたけれど元々は林業の会社だったり。組織のDNAさえあれば、時代の変化に対応していけると思うから、「うちは福祉やります」とわざわざ標榜する理由はあんまりないと思うんですよ。本来的には、福祉が必要ない世界のほうがいいと思いますし。今はある程度福祉なのかなぁと思っていますけれどね。でもあんまり福祉をやっている気はしないよね。

田中: あんまりしない。発達障害の支援をしているから「福祉」とカテゴライズする人は多いかもしれないですが、私はKaienに転職するときに福祉業界に行くんだという意識は皆無でしたし、今もそうです。

鈴木: そうだよね。まとめると、コアは「発達障害」であり、「本物を届ける」 「スピードが早い」 「支援者と利用者の垣根が低い」 「実は競争が少ない」。そんな感じの会社ですかね。

鼎談『社員番号1・2・3で振り返るKaien7年史』

田中正枝

Kaienの社員番号2番であり総務所属。県税事務所、メーカーでの勤務を経て、損保系会社の人事事務に。2010年にパートタイムとしてKaienに入社。翌年からフルタイムとして勤務。

須賀智美

Kaienの社員番号3番であり取締役・執行役員(経営本部担当)。大学卒業後、13年間鉄道会社に勤務。退職後、上智社会福祉専門学校、慶應義塾大学大学院へ。2010年、大学院在学中にパートタイムとしてKaienに入社。2012年、大学院修了と同時にフルタイムとして勤務。

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